台湾一周自転車の旅

2日目 基隆-羅東

2009年10月27日 晴れ^^

台湾地図 旅行は日常生活で溜まったストレスをときほぐすことが目的だとすれば、自転車での台湾一周に20キロ以上の荷物とともに挑んでいる僕は、自分を虐待することが目的じゃないか、とふと思いました。

 台湾一周の旅2日目の朝、大頭が何度も呼ぶ声で渋々目を覚ましました。そして僕の美しい両足が、突然の酷使により半不随状態になっていることに気がつきました。重度の筋肉痛だ!大頭が出勤しないんなら、もっとゆっくり寝ていたかったよ。2日目の朝7時にして、頭の中にはもう「帰りたい」という言葉が浮かび始めていました・・・。

基隆の朝

 「店長、こいつは親友のADIA。今自転車で台湾一周の旅をしてるんだ。カッコいいだろう?面倒見てやってね!!」大頭は僕を朝ご飯屋へ預けると、急いでバスに乗り、会社へと向かいました。お礼を言う時間もないぐらいの勢いで姿を消してしまいました。この人、本当は忍者なんじゃないかと思うぐらいのすばやさでした。

 朝ご飯屋でアイスミルクティーとポークバーガーを注文し、席に着きましたが、新聞を広げながらもぼんやりと外を眺めている僕。脳みそはまだ起きていないようです・・・。
「今、台湾一周中なんだ?」「どこから来たの?」「今日はどこまで行く予定?」店長は忙しそうに手を動かしながら、声をかけてくれます。僕の旅の計画内容を知ると、「凄いじゃない!偉いじゃない!」を連発し、旅の応援として、朝ご飯はご馳走するとまで言ってくれました。おお!朝からこんなにハートウォーミングなシーンに出くわすなんて!これこそあの台湾的情の深さ!!
 朝食を終えると、お腹いっぱい元気もいっぱい。笑顔で店長にさようならをし、いよいよ今日の旅本番です。

  • 大頭とADIA
  • 大頭とADIA
  • 朝ご飯屋の店長
  • 朝ご飯屋の店長
  • 朝ご飯屋のQQ美
  • 朝ご飯屋のQQ美
  • 信号待ち
  • 信号待ち

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外国風基隆港

 基隆はいつも小雨が降っていて視界がぼんやりしている港町です。この日は10月。秋なのに夏のような青空、白い雲、まっさらな海に船舶が爽やで印象的。波止場をぐるりと回ってみて、基隆って外国のような雰囲気のところなんだと初めて知りました。基隆は北台湾最大の港町で、世界各国の貨物船や漁船が集まります。丘の上にある「KEELUNG」の文字はアメリカの「HOLLYWOOD」のよう。本当に外国みたいだなぁ。

 港に沿って走り、まず碧沙漁港をブラブラしてみました。午前中の漁港は観光客も少なく、お店や船も静かにしています。温かい日差しに時折吹くそよ風が心地よく、今僕はこんな気持ちいい場所を独占中!!

  • 基隆港
  • 基隆港
  • 基隆港
  • 基隆港
  • 2日目のADIAと阿美
  • 2日目のADIAと阿美
  • ハリウッド風KEELUNG
  • ハリウッド風KEELUNG
  • 碧沙漁港
  • 碧沙漁港
  • 碧沙漁港
  • 碧沙漁港
  • 碧沙漁港
  • 碧沙漁港
  • 碧沙漁港
  • 碧沙漁港

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福隆で駅弁ランチ

 濱海公路はとても走りやすい道路でした。東北角の海岸では、面白い光景に沢山遭遇しました。陰陽海や龍洞灣なんかは素晴らしい海岸風景です。ただ石ころと車が多くて、時にはコウモリがぶつかってくることもあるので注意しないといけません。でも善人は必ず報われる(僕はいつもおばあさんが道を渡る時に手を貸しています)のです。走ってみると石ころや車はそれほど多くなく、攻撃してくるコウモリにも全く出会いませんでした。
 途中、僕と同様自転車で旅をしている人に遭遇しました。お互い励ましあい、道端で微笑むコブタも僕に「加油(ガンバレ)」と声援を送ってくれてるよう。

 お昼は駅弁の郷、福隆で、超有名な「福隆便當」を食べました。たった80元でこんなに大きな鶏モモ肉のお弁当が食べられるのです。おかずもいっぱい詰められていて、男の僕でも全部食べ切るのが大変でした。福隆という小さな駅の前には、何軒ものお弁当屋さんが並んでいます。各店の味は微妙に違うようなので、ここでお弁当を買うことがあるなら、直感でピピッと来たお店のを食べてみるといいと思います。どこのお弁当も好好吃~。

  • 濱海公路
  • 濱海公路
  • 途中出会った自転車旅行者
  • 途中出会った自転車旅行者
  • コウモリ出没 ゆっくり走行
  • コウモリ出没 ゆっくり走行
  • 微笑むコブタ
  • 微笑むコブタ
  • 鶏モモ肉お弁当
  • 鶏モモ肉弁当
  • 福隆便當
  • 福隆便當
  • 福隆の自転車仲間とパチリ
  • 福隆で出会った自転車仲間と
  • 福隆鐵道
  • 福隆鐵道

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悲恋の島から羅東へ

 福隆を出発してから、今日の目的地「羅東」へ向かってペダルをこぎます。霧の向こうにぼんやりと見えているのは龜山島。カーブを曲がると突然目の前に見えてきました。この龜山島には、悲しい伝説が残っています。竜宮城を護っていた龜将軍が、身分違いのお姫様と恋に落ち、それを知った龍王の怒りを買ってしまいます。そして龜将軍は龜山島にされ、お姫様は宜蘭の蘭陽平原にされてしまったという話。ロミオとジュリエットのようなラブストーリーです。僕は生まれながらに苦労する宿命みたいだし貧乏だし、竜宮城を護るなんていういい仕事もないし、何より僕を好きになってくれるお姫様がいないからよかった。もし永遠にじっとしてないといけない大地になってしまったら、色んなところへ行くのが好きなADIAは、腐ってカビが生えてしまうかも。

 遠くから眺める龜山島は、霧に包まれ幻想的な雰囲気です。龜山島に近づいているということは宜蘭にも近づいているということ。でも空が次第に暗くなってきました。街路灯のない省道を急いで進もうと、僕はペダルを踏む足に力を入れ加速しました。早くこげばこぐほど空が暗くなっていきます。そしてついには暗い夜が大地を覆いつくし、雨もぱらついてきました。僕はそんなにお金を持ってないしお化けが怖いので、貞子出没に最もふさわしいと思われるこの場から一刻も早く脱出しようと懸命に前進していました。頭の中には、白い服に長い髪を振り乱し、道行く人に”寒い~、寂しい~、こっちに来て~”とおいでおいでをする女のお化けが浮かんできます。
 そんな恐ろしい女性の霊がもう出てきてしまう!と思った矢先、ついにこの日の目的地、羅東へ到着しました。よかったよかったー。ホッとすると同時に、右足の痛みに気づき始めました・・・。

  • 遠くに見える龜山島
  • 遠くに見える龜山島
  • 東北角海岸
  • 東北角海岸
  • 台北から宜蘭へ
  • 台北から宜蘭へ
  • 宜蘭-日没前の田園風景
  • 宜蘭-日没前の田園風景

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Kendraが教えてくれたこと

 しばらくしてから、今日ADIAを停めてくれる民宿のオーナー、Kendraがバイクでやってきました。小学校へ通う息子さんも、ニコニコと笑顔で一緒に来ました。先にいいところへ連れてってあげる、というKendraについて行くと、そこはカフェ。1階では若い女の子向けの服を売っていて、喫茶スペースは2階にあります。広くはないけれど温かさが漂う空間です。店内にはインディーズ系の音楽が流れ、台湾の山の写真が飾られています。この写真はカメラが大好きなKendraのお父さんが撮影したものだそうです。そんなお父さんのために私たち兄弟で協力し、ここで小さな展示会を開くことにしたの、と話してくれました。

 写真には雄大な山の美しさが見事に写し出されていました。そして人と自然の平和な共存も見ることができました。にぎやかなところでずっと生活していると、現代の便利さと科学がもたらす幸せに慣れきってしまい、自然とどんな風に向き合えばいいのか、わからなくなってしまいます。
 原住民の悩まず楽観的で陽気な性格は、毎日幸せに暮らすための原動力なのよ、とKendraが教えてくれました。そうか、そういうことか。僕は今日Kendraに初めて会ったわけだけど、ネットを通して何度か連絡をしただけで見ず知らずの僕を泊めてくれるのは、こういう考えがあるからこそなんだね。そんな原住民の精神は、Kendraのお父さんの写真と同じように美しい!と思います。

  • (左から)Kendra、息子さん、友達
  • (左から)Kendra、息子さん、友達
  • カフェ
  • カフェ
  • CD
  • CD
  • 高清春 攝影展
  • 高清春 攝影展

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2日目終了

 夜10時半、今日出会った笑顔の数々を思い返し、気持ちよく眠ろうとしました。が、だんだん腫れてきて次第に痛みが増してくる右足が、明日の旅行スケジュールに不安を投げかけます。もういいや。寝よう。おやすみ、阿美。おやすみ、僕の右足様。

  • 女性の旅行者もいます
  • 女性の旅行者もいます
  • 出会った人と連絡先を交換
  • 出会った人と連絡先を交換
  • ツーリング中
  • ツーリング中
  • シップを貼りました
  • シップを貼りました

2日目のADIAデータ

朝食
朝ご飯屋さんにごちそうになりました(無料 *店長の仏心によるもの)
昼食
福隆鶏のもも肉弁当 (80元 *かなり満腹に)
夕食
7-11で購入(52元)
ブレイク
コーヒー(無料 *Kendraのおごり)
ボディケア
筋肉痛に効くシップ(119元)
阿美ケア
自転車ライト(100元)
宿泊
人生初、出会って間もない人の家に宿泊(無料 *Kendraの優しさに感謝)
移動距離
約110.2km
消費総額
351元