台湾一周自転車の旅

3日目 羅東-南澳

2009年10月28日 晴れ

台湾地図 昨日、自転車に乗り始めてから、1日の走行距離が初めて100キロを超えました。右足外側の筋肉が使いすぎでとても痛い。今朝は痛みが引いているどころかますますひどくなっていました。颯爽と歩くこともままならず、自転車こぎは無理じゃないけどきつそうです。

ありがとうKendra

 Kendraが用意してくれた温かい朝ご飯を食べてから、ステキなKendra一家とさようなら。痛む足を引きずりながら花蓮へ向けて出発です。お別れのちょっと前、Kendraがパンを2つくれました。「お腹が空いたら食べてね。本当に足が痛くて今日予定している花蓮に到着できなかったら、手前の南澳で1泊するといいわ。そこに私の友達がいるから、泊めてあげてって頼んでおく。」

 足は痛かったけど心はホカホカに温まりました。ADIAはたった1人で旅をしているけど、Kendra達はまるで僕が家族の1人であるかのように親切にしてくれます。もしかしたらこれは、道を渡るおばあさんを手伝ったり、お父さんにリンゴの木を折ったのは自分だと正直に告白したり(ジョージ・ワシントンみたいだ><)と、普段の行いが素晴らしいためなのかもしれません!

 サンシャインボーイADIA、よし行くぞ~。戦車に乗って突き進むぞ!荷物を積んで、サポーターをぎゅっと締めて前進前進。犬のフン、坂道、悪天候、ぜーんぶどいてください。ADIA様のお通りです。今日は花蓮まで行くんだ。

  • しつこいけど痛い
  • しつこいけど痛い
  • それでも進む
  • それでも進む
  • 道端に豆干
  • 道端に豆干
  • 平和な田園風景
  • 平和な田園風景

※画像クリックで拡大画像へ

痛いです

 自信十分、体力不足・・・。スタートから数百メートルぐらいのところで、右足の痛みで泣き出しそうになりました。お尻もタマもイタイ。昨日長時間走りすぎたため、摩擦で皮がむけ、赤くはれあがってしまいました。この監獄の硬い椅子にぶつけられたような痛み、誰にも言えない密かな苦しみは、女の子のお尻を触った痴漢が、その場で押さえつけられてもがくような、そんな苦痛レベルと言えるかもしれないです。

 走っては停まり、また進んでは右足ともうすぐ破れてしまいそうなお尻にタマをいたわり、2時間かけてようやく羅東から蘇澳までやって来ました。距離にしてたった10キロほど。僕は早速「まだ続けてこいで行く?」と自分自身に問い始めていました。

  • 3日目の阿美戰車
  • 3日目の阿美戰車
  • 仲良く寄り添うポスト
  • 仲良く寄り添うポスト
  • 蘇澳新駅
  • 蘇澳新駅
  • 穏やかな河
  • 穏やかな河

※画像クリックで拡大画像へ

ピンチを切り抜けること

 駅前の電光掲示板に、偶然のタイミングで「苦境に立ったら、命の潜在力をたきつけろ!(遇困境情境,激生命潛能!)」という文字が流れていました。なんで映画はいつも絶体絶命のピンチに立たされた主人公が、なんとか活路を見出し、雨上がりの晴れ空のようにすっきりとエンディングを迎えるんだろう。チープなストーリー展開。僕にはさっぱりわかりません。

 はぁ・・・ヒマだからって、なんで自転車台湾一周旅行っていう面白くもない映画を監督兼主演しなくちゃいけないんだ。別に清純で可愛い女の子のハートをぎゅっとつかめるわけでもないし。そう思いませんか?

  • 7-11で食糧補給
  • 7-11で食糧補給
  • 駅前の掲示板
  • 駅前の掲示板
  • 蘇澳の街風景
  • 蘇澳の街風景
  • 蘇澳の街風景
  • 蘇澳の街風景

※画像クリックで拡大画像へ

蘇花公路に挑む

 コンビニで食糧補給をしてから、可愛い女子店員さんにバイバイとあいさつをし、伝説の「蘇花公路」を目指します。強い男をも震え上がらせるという恐怖の道路で、台湾東部で最も美しいところでもあります。台北から花蓮へ行くにはこの道が唯一の選択肢なのです。その美しさは、未開発地が多く神様が作り出した大地が残っていることにあります。が、道の状態がよくないことと大型トラックが頻繁に行きかうことから評判がよろしくないのも事実です。ベテランのマウンテンバイカーでも、この道に挑もうという人はそう多くはありません。台湾一周の旅では、蘇花公路部分は電車を利用して通過する人が大部分です。そうでなければ仲間と一緒にグループで、という道。たった一人だけ、痛めた足に20キロを超える荷物で、ADIAはのんきに蘇花公路を進もうとしているのです。

 蘇花公路は本当に走りづらい!最初に仕掛けてきたのは、連続坂道攻撃。続いて大型トラックのいじめ。そして最後に僕の足がつりました・・・。ホントにホントに帰りたいよ~!

  • 蘇花公路への入り口
  • 蘇花公路への入り口
  • 蘇花公路への入り口
  • 蘇花公路への入り口
  • いつまでも続く坂道
  • いつまでも続く坂道
  • 行きかうトラック
  • トラック

※画像クリックで拡大画像へ

ADIA追い詰められる

 お昼時の12時半頃、僕は蘇花公路の東澳で必死に電話をかけていました。そして泣きながら彼女に「足が猛烈に痛くて、お腹が空いてる上に疲れてるんだ。もう自転車いやだ。帰りたいよ!!」と訴えていました。彼女は疲れきった声ですすり泣きながら話す僕の声を聞き、つられて泣き出してしまいました。そして「無理しなくていいよ。行ける所まで行って、もう動けなくなったら車に乗ればいいじゃない!無事に到着することが大事でしょ。これはADIAの旅なんだよ。」となだめるように話してくれました。

 電話を切ってから、僕は東澳駅前でぼんやりと座っていました。どれくらい経ったんでしょう。放心状態の僕を見た駅員さんが、「切符を買いなさいよ。花蓮まで一番早く到着する切符を用意してあげるから、自転車と一緒に乗って行きなさい。蘇花公路はまだ続くし、坂道も急になって、道の状態はだんだんひどくなるよ。君の足は相当参ってるみたいだから、トンネルで大型トラックが来たとしてもすぐに避けられないだろう。無事に目的地に着くことが何より大事なんだよ。」

 駅員さんの言葉に、僕はもう崩れてしまいそうでした。弱りきった気持ちに駅員さん言葉がかぶさり、もう切符を買ってしまおうと思いました。

  • 蘇花公路からの景色
  • 蘇花公路からの景色
  • 蘇花公路と阿美戰車
  • 蘇花公路と阿美戰車
  • 蘇花公路のトラック
  • 蘇花公路のトラック
  • 蘇花公路
  • 蘇花公路

※画像クリックで拡大画像へ

ADIAの選択

 すると突然、オレンジの旗に張り付いている精神的リーダー、スポンジボブが無礼にも僕の頭の中で話しかけてきました。
  「ADIA、ちょっと待って。君は ビキニ・ボトムで一番の料理人じゃないの?」
  「え?何言ってるの?僕は料理人なんかになったことないよ。ADIAはサンシャインボーイだよ。」
  「どっちでもいいけど、君は旅の前に自転車以外の乗り物に乗らず、車やバイクに牽引してもらうのもなしって言ったよね?」
  「・・・」
  「今電車に乗るつもりなら、いっそのことそのまま家に帰っちゃえよ!」

 スポンジボブに激励された僕は、急いで涙を拭き、阿美戰車にまたがり、振り返ることなく花蓮へ向かい突進していきました。ADIAがサンシャインボーイっていうのはウソじゃないよ!それを証明してみせる。痛みをこらえ、涙を浮かべ、坂をのぼり、恐ろしいトンネルが立ちはだかろうと、びっこをひいていようと、すんごいスピードで進んでみせる。明日になれば僕はまた快男児になるんだ。蘇花公路、待ってろよー!!

  • 東澳駅で長い間座り込みました
  • 東澳駅で長い間座り込みました
  • スポンジボブ
  • スポンジボブ
  • 勇者の銅像
  • 勇者の銅像
  • 明日は僕だって勇者
  • 明日は僕だって勇者

※画像クリックで拡大画像へ

3日目のADIAデータ

朝食
幸せの朝ご飯(無料 *Kendraの手作り、さらにパン2個追加)
昼食
7-11のお弁当+フランクフルト・大2本 (129元)
オヤツ
7-11のおでんと飲み物(40元+12元)
夕食
お弁当(65元)
ボディケア
筋肉痛用の塗り薬(150元)
宿泊
スケジュールが1日遅れ南澳に1泊(700元)
移動距離
約45.8km
消費総額
1,096元