台湾一周自転車の旅

5日目 花蓮鹽寮-瑞穗

2009年10月30日 晴れ

台湾地図 早朝、ミャーミャーという声で目が覚めました。眠い目をこすっていると大きな目が近づいてきました。なんだ、猫だったのか!!民宿越牆工園では、起床時に猫が付き添い、そよ風が吹き、そして昨晩は消し忘れたのかジャズの音楽が流れていました。これが僕の越牆工園の第二印象です。

海沿いの民宿 越牆工園

 花蓮鹽寮の海沿いにある越牆工園は、大自然を集めて造り上げられた民宿です。流木を利用したCDラック、石版で作った洗面台、竹でできたブラインド風カーテンにアチコチ走り回る子猫とアヒル。太平洋の海岸沿いにふさわしい空間です。

 昨日僕が泊まった部屋はまだ宿泊客に解放されていない「COCO房」。ヴィラ風完全にまとめられたこのCOCO房は、オーナーの王大哥が何ヶ月もかけて完成させた手作りの部屋です。クローゼット、ベッド、ライト、全て自らデザインしたもので、あまり注目されることはない便器は10万元もするもので、細心の注意を払って持って帰ってきたんだそうです。王大哥は口数が少なく、この世の中を変えたいとか思う人ではありませんが、ここへ来たら彼のやり方にならわなくてはいけません。だってここは王大哥の越牆工園だから。

  • モーニング猫
  • モーニング猫
  • 洗面台と便器
  • 洗面台と便器
  • 柔らかな照明
  • 柔らかな照明
  • COCO房
  • COCO房
  • バスルーム
  • バスルーム
  • 窓側のソファ
  • 窓側のソファ
  • 阿美戰車も1泊
  • 阿美戰車も1泊
  • 豪華な朝食
  • 豪華な朝食

※画像クリックで拡大画像へ

王大哥の個性

 物静かな王大哥ですが、でも実はとても情が厚くて面倒見のいい人です。加えて原住民らしい大胆でさばさばした性格の持ち主でもあります。「ADIAの台湾一周の旅はイケてる。でも天候を理由に旅のスケジュールを変えちゃったのは全然イケてないね。」と言われました(台風の影響で、僕の旅は1週間遅れての出発となったのです)。さらに、「風が吹き荒れようとも雨が降ろうとも、苦境を避けてちゃ自分がどれだけの力を発揮できるのかわかんないだろ!自転車での台湾一周なんて怖くないよ。ナイフ1本と少しの塩とライターがあれば、どんな状況に出くわしても平気だろ。」王大哥・・・それは自転車一周旅行じゃなく、サバイバルの旅と言った方がよさそう><。

 それでも僕は天候の問題をクリアし、くじけそうな気持ちに打ち勝ち、見事に蘇花公路を通過して花蓮へやってきたわけです。なので王大哥は「ADIA、なかなかいいね。今日はCOCO房に泊まっていいよ。でもね、この部屋は1泊7200元なんだ。しかも宿泊第1号は君だよ。COCO房は手間隙かけて完成させた思い入れのある部屋だから、特別な人に最初に泊まってもらうんだ。」こうして「越牆工園」という名前は、忘れられない特別なものとなりました。

 朝の太平洋は灰色で静かで、昨晩降った雨で越牆工園の床には透明のパウダーがまかれているようでした。僕は最高の席を選んで海を眺めらながら朝食を食べ、頭の中をからっぽにしました。こんな朝を過ごしたのはずいぶん久しぶりのことのように感じました。

  • 越牆工園の看板
  • 越牆工園の看板
  • 越牆工園の庭
  • 越牆工園の庭
  • 越牆工園の庭
  • 越牆工園の庭
  • 休憩スペース
  • 休憩スペース
  • 青空に映えるピンク
  • 青空に映えるピンク
  • 黄色い花
  • 黄色い花
  • 目の前には太平洋
  • 目の前には太平洋
  • 越牆工園からの景色
  • 越牆工園からの景色

※画像クリックで拡大画像へ

人生の先輩

 越牆工園を後にして、僕は自信満々で出発しました。しばらく進むと、とても格好いいオーラを放ちつつ、ロードバイクで颯爽と走っている人に出会いました。上下サイクリングウェアでビシッときめていて、よく日焼けした男性。とても63歳とは思えない若々しさです!ちょっと話をさせてもらったら、なんと友達協力の下、奥さんを騙すことに見事に成功。そして密かに計画した台湾一周旅行を実行中なのだそう。うおー、すごい!社会的に成功している男性の背後には、必ずこわーい女の人がついているものなんだね。おじさんからしっかり勉強させてもらわないと、僕は将来こんなに1人でブラブラできるチャンスが少なくなるかもしれない(まず毎日のお小遣いを200元から300元にしてもらえるように試してみようか。僕は本当に無駄遣いしないからさぁ><)。

  • カッコイイ
  • カッコイイ
  • 63歳にみえません
  • 63歳にみえません
  • 一緒にパチリ
  • 一緒にパチリ
  • 奥さんにばれませんように
  • 奥さんにばれませんように

※画像クリックで拡大画像へ

台193線をゆく

 花蓮を出てから、僕は海辺の景色とともに続く台11線には向かわず、山間道の台9線も選ばず、水辺と山道の台193線をゆくことにしました。昨日登場した涼麺屋の小温を覚えていますか?そう、彼の店の名前は193小舖!!地溝帯の中を通る台193線は山と水辺の景色が両方あって、川に沿ってつくられた山道。人も車も少なく、自然が満喫できる大好きな道なんだよ、って小温が教えてくれたんです。

 走ってみてわかりましたが、台193線では言葉で表せないほどの美しい景色が観られます。木々が鬱蒼と茂る山間の道には、海辺沿いのような暑さはありません。らせん状に伸びる山並みの間には黄金色の田んぼが広がり、ユニークなかかしが田園風景に色を添えています。風が吹くたびに稲と木の葉の香りが入り混じり、わ~ぁ、世界は本当に美しい、と感動。
 でも小温は言ってなかったことがあって、台193線はありのままの自然があるんだけど、それは僕からしてみたら意地悪なこと。花蓮から瑞穂まで全長約70キロのこの道路は、花東縱谷沿いに続いていて、周辺の風景は素晴らしく、山あり海あり雲ありで花蓮で最高にきれいな道と言っても過言ではないです。ただ谷地に沿っているので山のうねりにそって上ったり下ったりしなければなりません。脚力にそれほど自信がないのであれば、気軽にチャレンジするのはやめた方がいいです。山を下りるのは簡単だけど、上りはとても難しい。

  • 台193線からの景色
  • 台193線からの景色
  • 田んぼ風景
  • 田んぼ風景
  • 牛がいた
  • 牛がいた
  • 台193線からの景色
  • 台193線からの景色
  • 田んぼにかかし
  • 田んぼにかかし
  • 道路標識
  • 道路標識
  • 米棧古道
  • 米棧古道
  • 民家
  • 民家

※画像クリックで拡大画像へ

瑞穂入りで肉圓

 景色はきれいだけど辟易とさせられる坂道の台193線。男じゃなければ来るんじゃない!保険に入ってから来い!そんな言葉が頭をめぐり、この道で最も印象深い思い出となりました。そうは言ってもこの美しさはやって来た人にしか実感できないんだよね・・・。

 6時間近くかかって、体力の99.9%を消耗し、ようやく台193線を脱出しました。人生で1度体験すれば十分なことはたくさんあります。今度誰かに自転車一周旅行へ行こうと誘われても、僕は絶対絶対大声ではっきりと「いやいやいや、君たちだけで行けばいいよ。僕と阿美戰車の命は1つしかないからさ。」と答えると思います。

 もうすぐ夜になるという頃、今日の目的地、瑞穂に到着しました。もうすっかり日は沈んでいますが、お腹の腹ペコ細胞が目を覚ましたようです。その時、これまで聞いたこともない「緑茶肉圓」っていうのを見かけたので、ちょうどいいと食べてみることに。台湾産の緑茶を米漿とブレンドし、漬け込んだタケノコや豚肉などでできた餡を中に入れています。最後は油で揚げてできあがり。甘しょっぱいピンクのタレをかけて食べます。これぞ忘れられない台湾小吃「肉圓」なのです。だけど瑞穂の肉圓はほのかに緑茶の香りがします。

  • 瑞穂へ
  • 瑞穂へ
  • 光復駅
  • 光復駅
  • 緑茶肉圓
  • 緑茶肉圓
  • 緑茶肉圓の看板
  • 緑茶肉圓の看板

※画像クリックで拡大画像へ

ADIA家なき子から大逆転

 お腹いっぱいになった僕は、ウキウキと瑞穂で民宿をやっている小黄に電話をしました。小黄は7年前バイクで台湾一周をしていた際に知り合った友達です。当時、何日も彼の民宿でただで飲み食いしていました。またただで食べたりしに来たよ、と小黄を驚かせたかったんですが、こういうことって思ってたほどうまくいかない。小黄は外出中で不在だっただけでなく、なんと数日後にならないと戻ってこない!!うわ~どうしよう?小黄には台湾一周のことを話していなくて、「瑞穂に到着したら連絡→久々の友との再会→感動の抱擁→涙」というベタな展開が理想だったんですが・・・。これだったら、駅へ行って寝る場所を確保しておいたほうが良さそうだな。今夜のADIAは家なき子。駅で寝ることにします><

 ダンボールを敷いて寝る準備をしていたところ、小黄が電話をくれました。そして彼の家へ侵入する方法、近所の人に泥棒と間違われて叩かれないようにする方法を教えてくれました。こうして僕は正々堂々とドキドキしながら小黄の家に潜入したのです。他人の家で泥棒のようにやりたい放題にのんびりくつろぐのは生まれて初めてです。多分泥棒になったような気分になったのも初めて。結構面白いな・・・。

  • 夕方の瑞穂駅
  • 夕方の瑞穂駅
  • 夜の瑞穂駅
  • 夜の瑞穂駅
  • 駅前の道
  • 駅前の道
  • 小黄の民宿「後山歳月」
  • 小黄の民宿「後山歳月」

※画像クリックで拡大画像へ

5日目のADIAデータ

朝食
越牆工園の豪華な朝ご飯(無料)
昼食
適当になんか食べた (65元)
オヤツ
でっかいフライドチキン(45元)
夕食
緑茶肉圓(30元)
飲み物
7-11で購入(40元)
宿泊
後山歳月民宿(撮影+お留守番サービスと交換)
移動距離
約75.07km
消費総額
180元