台湾一周自転車の旅

6日目 瑞穗-台東關山

2009年10月31日 晴れ

台湾地図 おとといは火事場のくそ力的な自転車こぎのおかげで1泊7200元の部屋に宿泊することができました。そして昨日は100万以上する友情たっぷりVIP級のもてなしを受けました。そういったことが毎日の目覚めを心地よいものにしてくれます。僕は元気に起き上がり、アラームを止めて大声で阿美に「オハヨウ!」と声をかけます。

花蓮と後院有山と小黄

 素朴な街、瑞穂はとても静か。1人だけで迎えた朝はさらにシンとしています。1階から3階まで、正面から後ろまで、広々とした空間を全部独り占めです。僕と阿美が見つめあい、音楽が響き渡り血は沸きかえり、パーティーだって開催できてしまうのです。左にサッと寄り、右側に隠れ、でんぐり返しで前進し、逆立ちしながら監視カメラの死角を進む僕らはまるで忍者のよう。無言のまま息を殺して部屋に侵入し、次のターゲットを見つけるとすばやく写真を撮ります(ちびっ子のみんなは真似しないでね。ADIAは部屋潜入の前に、家主さんに許可をもらってるから。)。

 民宿「後院有山」は、小黄の2軒目の家です。7年前、ADIAがバイクで台湾一周旅行をしていて小黄と知り合った時は、今の家ではなく僕らが「老房子(古い家)」と呼んでいる伝統的な三合院でした。もともと台北でネット関連の会社を運営していた小黄は、お金とつまらないかけっこで競い合う日々を送っていました。数年が過ぎ、お金はあるものの心は満たされず、全てを手放してこの老房子へやって来んだそうです。そして自給自足の田舎生活を始めました。ここでは毎日ギターの弾き語りをしてもいいし、友達みんなでお酒を飲みバーベキューを楽しむこともできます。疲れたら横になり、星空を眺めながら心地よい眠りにつく・・・。これが僕と小黄が花蓮で出会った最初の夜の出来事です。

 何年か経ち、老房子は大家さんの都合で借りることができなくなりました。小黄は結婚して花蓮に生活の基盤ができ、今の家、後院有山で暮らすようになりました。後院有山は一般住宅風の民宿ですが、部屋は小黄の人柄で溢れる優しく居心地のよい空間です。宿泊料金は「花蓮の美しさは高嶺の花になっちゃいけない。みんなが気軽に来られるように。」という小黄の考えから、とても低価格。「お金もうけのためじゃなく生活するために花蓮へ来たんだ。」と言っていました。

 後院有山にはダブルルームから10人用の大部屋まで揃っています。民宿内にはバーベキューコーナー、ビリヤード台、リクリエーションや交流スペース、カラオケなどがあり、希望があれば小黄が山や海にも連れて行ってくれます。海ではシーカヤック。山ではイノシシ狩り。彼は大抵のことはできてしまうんです。その名にたがわぬ花蓮ツウ。花蓮へ来たら小黄をたずねてみると間違いありません。

  • 後院有山
  • 後院有山
  • 後院有山
  • 後院有山
  • 大部屋
  • 大部屋
  • バスルーム
  • バスルーム
  • 照明
  • 照明
  • 後院有山
  • 後院有山
  • 後山歲月
  • 後山歲月
  • これが「老房子」
  • これが「老房子」

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イノシシ狩りの名手

 ありがとうの置き手紙と撮影したきれいな民宿写真を残し、僕は再び1人で台湾一周旅行に出発。昨日走った台193線を南に進み、まずラフティングで有名な秀姑巒渓のラフティングセンターを通過しました。橋の下には勇ましい原住民たちが集まっていて、みんなでワハワハと笑っていました。時折歓呼の声も聞こえてきます。あぁ、そうか。瑞穂エリアは今日が年に1度の「原住民伝統競技大会」の日。この時はちょうど色んな競技がそれぞれ進行中でした。中でも見物なのがイノシシを射る競技です。が、イノシシを射るというより、芋掘り大会といった方がふさわしいかもしれないです・・・。

 この競技は、参加者がイノシシの絵を狙って矢を放ち、当たった場所の点数で勝敗を競うというもの。頭部の10点からイノシシ外の0点まで、最高得点を獲得した人が勝者です。賞品がどうしようもない代物なのか、最近Facebookでは農園ゲームで野菜栽培が流行ってるからかわかりませんが、走らない絵のイノシシなのにみんな外してばかり!!原住民は生まれつき戦いに長けた勇敢な気質がありますが、農園ゲームブームには抗えず、イノシシがどこにいようとお構いなくみんな争うようにして芋掘りをしてるんだ・・・。
 ずーっと観てたら、インターネットとは無縁だろう原住民のお母さんがイノシシのおでこに矢を命中させ、イノシシはパタリと倒れました。今年のイノシシ狩り名手はこのお母さんです。今後は主催者がこのイノシシの競技を芋掘り大会に変えちゃうかもしれません。そうすれば少なくとも命中率は今より上がるはず^^

  • のどかな街風景
  • のどかな街風景
  • 青蓮寺
  • 青蓮寺
  • 秀姑巒渓
  • 秀姑巒渓
  • ラフティング
  • ラフティング
  • 原住民伝統競技大会
  • 原住民伝統競技大会
  • イノシシを狙いうち
  • イノシシを狙いうち
  • イノシシの的
  • イノシシの的
  • イノシシを狙って
  • イノシシを狙って

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自然の水彩画

 瑞穂を過ぎたら、台193線はなだらかな道の連続となりました。辺りの風景も、崖や渓谷のシーンから一転、穏やかな田園風景になりました。夏の終わりから初秋にかけての午後はお米の収穫作業が進められます。つややかな緑の田んぼに溢れる黄金色の稲穂は頭を低く垂れて、まるで丁寧に育ててくれた農家の人に感謝をしているようです。田の合い間に立つ電柱は、田園風景に足りない何かを補っているように見えます。こんなにきれいな景色はどんな風に撮っても、素晴らしい水彩画のように写るんです。

  • 台193線
  • 台193線
  • 黄金色の田んぼ
  • 黄金色の田んぼ
  • 頭を垂れた稲穂
  • 頭を垂れた稲穂
  • 電柱も
  • 電柱も

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素朴な玉里麺

 田んぼの傍に、地味なお店がありました。花蓮の庶民料理を売っている食堂、玉里麺です。正直に言えば、ここの食べ物はそれほど特別なものではありません。でもシンプルだからとっても素朴な田舎の味わいがあるんです。ゆでた麺にしっかり煮込まれた卵、そしてサッとゆでた豚肉をあわせて、最後にネギをちらして肉味噌タレをかけて完成。おいしくて食べても太らない花蓮の玉里麺は、大盛りでもたったの50元。お客さん、花蓮へ来たらこの玉里麺を食べてみてね。

 玉里麺を食べ終えてから、また前に進み、クレヨンしんちゃんの出身地「春日里」まで来ました。花蓮の春日里にはマサオくんもボーちゃんもネネちゃんもいなくて秘密の基地もないけれど、漫画にある「春日小学校」と「春日部防衛隊」(地元の警察署)はあり、地球のために頑張っています。道で僕を見かけたおまわりさんは、応援の声をかけてくれて「疲れたら、前方に有る派出所に来るといいよ。よかったら座って休んで行きな!」と言ってくれました。田舎町の警察のおじさんはかわいいです。

  • 玉里麺と阿美戰車
  • 玉里麺と阿美戰車
  • 玉里麺仕上げ中
  • 玉里麺仕上げ中
  • 玉里麺
  • 玉里麺
  • 台193線からの景色
  • 玉里麺
  • 春日里
  • 春日里
  • 農作業中
  • 農作業中
  • 派出所
  • 派出所
  • ハスキー
  • ハスキー

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台東入り

 光復に入ってから、僕は人も車も多い台9線を走ることにしました。ここには超有名な砂糖工場、光復糖廠があります。ここのアイスキャンディーは、工場で作られたばかりの新鮮な砂糖を使っているので、とても香りがよくおいしいのです。猛暑のシーズンに食べると一瞬で暑さを忘れさせてくれます。でもこの日は到着が遅すぎて工場にバイバイとつぶやき、引き続き自転車で進むことしかできませんでした。棒アイスが食べられなくて失望感に襲われていたその時、突然後ろから呼び止められました。

 声の主は、僕と同じく1人で自転車旅行中の男性でした。今日は台湾野球の里、台東紅葉温泉で1泊するんだそうです。目的は違うけど方向が同じなので一緒に走っていきました。そして花蓮の富里で別れ、それぞれの道を進んでいきました。

 台東に到着しても依然として同じ風景が続きます。遠方の山に黄金色の田んぼが寄り添い、その間を鉄道が曲線を描き、銀色の甲冑を着た電車が、旅人の想いを乗せて通り抜けてゆきます・・・。

  • 自転車旅行中
  • 自転車旅行中
  • 恒例の記念撮影
  • 恒例の記念撮影
  • 金針
  • 金針
  • 農作業中
  • 農作業中
  • 池上駅
  • 池上駅
  • 台鐵の列車
  • 台鐵の列車
  • 晩ご飯關山弁当
  • 晩ご飯は關山弁当
  • 關山弁当屋
  • 關山弁当屋

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6日目のADIAデータ

朝食
?(45元)
昼食
玉里麺 (50元)
夕食
關山弁当(70元)
飲み物
(22元)
宿泊
關山親山農園民宿(撮影サービスと交換 大雄と宜靜に感謝)
移動距離
約68.52km
消費総額
165元