台湾南部の客家の里

 高雄市美濃区(旧:高雄県美濃鎮)は、高雄市街地の東南およそ30kmの地点にあります。周囲を山や丘に囲まれた平坦で湿潤な田園地帯で、米やタバコなどが栽培されています。

 このエリアは1700年代に広東省から移住してきた住民により開墾が進み、瀰濃荘と呼ばれていましたが、日本統治時代に日本語で発音の似ている地名から「美濃」に変えられました。その元となった岐阜県の美濃地域は和傘(蛇の目傘)の生産地として有名ですが、台湾の美濃でも和傘によく似た「油紙傘」が作られています。これは大正時代に当地で発展した産業で、現在でも主要な民俗雑貨として生産販売されています。ところで、日本の美濃と台湾の美濃に傘という共通点がある理由はよく分かっていません。

 美濃は台湾でも有数の客家の里で、人口の9割が客家人だと言われています。客家人はもともと中国を放浪していた漢族系の民で、台湾には17世紀頃から移り住むようになりました。居住区は新竹・苗栗周辺と、この美濃が有名です。MRT車内で、北京語、台湾語、客家語、英語のアナウンスがあるように、客家は独自の言語、生活習慣、文化があります。

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交通アクセス

 台湾鉄道新左營(台湾新幹線左營駅直結)か高雄駅から高雄客運のバスが運行しています(左營発着便は便数が少ないのでご注意ください)。所要時間は60分~90分程度で、高雄から日帰りで訪問することができます。

 美濃エリア内ではバス路線はあまり充実していないため、タクシーを利用することになりますが、流しのタクシーは多くありません。見どころの範囲は広くないので、一部では徒歩での移動もできますが、移動距離が長いときは、お店や施設などでタクシーを呼んでもらってください。効率的に回るには高雄でタクシーをチャーターするのもよいでしょう。

※この特集は2012年5月に取材しました。その後状況が変わっていることもありますのでご了承ください。