金門には太武山倒影塔、水頭村の茅山塔、舊金城の文臺寶塔の3つの古い塔があります。これらは明朝の時代に建立されたもので、航海の目印とされました。茅山塔は西側の高い場所にあります。金門の午後の暑い太陽と強い季節風を受け、綺麗な景色を眺めながら道を登ること十数分で茅山塔へと到着です。山道の石畳はよく整備されており、斜面も緩やかでそれほど疲れることなく登ることができます。
茅山塔は争いの際に標的とされないために壊されましたが、2004年に金門の政府によって修繕作業がされました。茅山塔の頂上に立つと水頭村が見渡せ、得月樓、黃氏酉堂もはっきりと眺めることができます。真っ青な大きな海を目の前に、遠くには山も見ることができ、忘れられない心に残る風景となりますよ。
北門はかつて金門の政治経済の中枢だった金門城地域に残っている門です。この堂々とした姿は遠くから見ることができ、映画のように槍をもった門番が車を止めるのではないか、なんて思ってしまうほどです。北門の先には明の時代に整備された石畳が100mほど伸びており、台湾で現存する最も古い町が残っています。石畳を歩くと、建設当時のにぎやかな町のざわめきが聞こえてくるような気がしますよ。
文臺寶塔は金門の三大塔のひとつであり、唯一、建設当時の姿を保っています。茅山塔に比べるとサイズは小さめですが、金門城の外の岩の上に600年の長い年月に耐えた塔の姿は、時代の流れを表す貴重な遺跡となっています。塔の近くには虛江嘯臥碣群と呼ばれる古蹟があります。明の時代の進士である兪大猷が友人らと集まり、風景を楽しみながら岩に「虛江嘯臥」と書きつけました。これをきっかけにいろいろな人たちが、岩に字を書きつけるようになり、その一帯が虛江嘯臥碣群と呼ばれるようになりました。中国では風雅を愛する文人がこのように詩などを書く習慣があるのですが、台湾では非常に珍しく、文学好きにはたまらないスポットとなっています。