龍羽老師の台湾開運の旅|台北遊透隊|旅々台北

  • 店名:
  • 先天世界刀療協会
  • 住所:
  • 台北市農安街2巷3號
  • google.map
  • tel:
  • 02-2585-0499

レトロな繁華街の片隅で

皆さんの家には、出刃包丁って置いてある? 中華料理には必須アイテムということで、お家でゴハンを作る台湾人の家ならば、普通にあるらしいんだけど、中華どころか日本のゴハンもあまり作らない私の家には、もちろんない。中華の出刃包丁って、上から振り下ろすことで、あの重みを利用して、お肉も骨をも叩き切るわけで、調理器具としてはもっともシンプルだけど、ちょっと恐ろしいお道具だと思わない?

さて、台湾には、その出刃包丁で体中をトントンする、というおっそろしい民族療法があるのだ。場所は「晴光市場」という台湾伝統の市場の中、という思いきり庶民的な場所。

台湾一ののっぽビル「101」近くの超高級ショッピングモール「BELLAVITA」なんかを歩いた後、ここに来たなら、絶対にワープした感覚に襲われるに違いない。とても同じ台北市内で同じ時代の代物とは思えない、そのあまりの差に、笑っちゃうくらいだ。

ちょっと照れる準備運動

そして、問題の出刃包丁療法のお店は、と言うと、これまた、なんとも怪しげなんだなぁ~。市場内にあるので、入口もオープンスペースになっていて、中の様子が外から見えるんだけど、あまり上品とは言い難いインテリアだ。しかもそこにいるお姉さん方は、昔の中華レストランの店員さんが来ていたようなチープなチャイナドレスを着ていたりする。お店の雰囲気といい、出刃を持ったチャイナドレスのお姉さんといい、ここで多くの日本人はめげるかもしれない。しかも、壁に貼ってある「宇宙なんとか」なんて書いてあるポスターを見ちゃったなら、中国語が分からなくても、漢字の意味が分かる日本人なら、完全にひいちゃうよね・・・なんかヤバそうな宗教か?はたまたカルト集団か?

でもね、安心して~ここのお姉さんたちはみんなフレンドリーで、優しいし、もしかしたら少し宗教は入っているかもしれないけど、決して勧誘したり、説法臭いことを言ったりはしないから・・・

さて、先ずは問診票に基本的なデーターを書き入れた後、お姉さんが「羅盤」(主に風水師が方位を見るために使う道具)の上を筆のような棒でトントン叩きながら、なにかブツブツ言い始める。それをお弟子さんが、必死で書きとめる。どうやらどっかと交信して、私の悪い所を聞いているようだ。そして、その結果を元に私の身体の状態を知り、治療しなければならないところを中心に出刃トントンをしてくれるわけだ。このあたりまでは、正直、怪しさ満載(笑) その後、麺棒みたいのを持たされて、チャイナドレスお姉さんと向き合いながら、簡単な体操をさせられる。なんだか照れくさい。しかも市場を歩く人から丸見えだしね・・・

ついに出刃包丁登場

ここまでで約10分間。これから、いよいよメインイベントの出刃トントンが始まるわけよ~

服のままベットにうつ伏せになると、チャイナドレスお姉さんがかなり乱暴に体をほぐし始める。「もうちょっと丁寧にお取り扱い願います」と言いたいけど、こんなのは、まだまだ! 問題はこれからよ・・・

ある程度体がほぐれると、お姉さんは、両手に1本づつの出刃を持って「では、始めます」と。おそらくこの光景を初めて見たなら、誰でも「ギョエ~」と固まるに違いない。もう「まな板の鯉」とはまさしくこのこと。「ちょっと、大丈夫?怪我しない?いえ、そんなもんじゃすまないわ、死なない?」お姉さんは「ダイジョブ、心配ナイネ」と軽く流し、突然足首とふくらはぎのあたりをリズミカルにトントン始める。思わず、足に力が入り、イヤな汗が噴き出そう・・・

ところが、ちょっと冷静になると、「あれ~なんかイイかも?」出刃の重みがズシンと体に伝わり、ちょっと痛いけど気持ちいい。イタキモ~ってやつよ。肩たたきと同じで、トントン叩かれる、というのは、気持ちがイイものなのね。しかも包丁の重みが刃先から鋭角に伝わる分、手でトントンされるより、効きそうな感じがする。

普通はひとりのお姉さんにやってもらうんだけど、この日は取材、ということで、二人のお姉さんが上半身担当と下半身担当に分かれて、トントンやってくれた。うつ伏せから横向きになって、上半身担当お姉さんに頭のあたりをトントンされる時には、慣れたとはいえ、やはり一瞬、緊張が走る。そしてトントン出刃が全身を通過する頃には、身体中の血液が刺激を受けたようで、なんか火照って来た感じに~。血液の循環がものすごくよくなって、新陳代謝もよくなりそう。 

修行の先に見えるもの

また、下半身担当のお姉さんが「ねぇ、あなた、足首捻ったことない?それと、ひざも悪いでしょう?」と。

ゲゲっ、はい、おっしゃる通りです。

大学生の頃、運動中に足首捻って、靭帯損傷。それにひざは、中学高校時代、卓球やりすぎで、水が溜まったりしていたもん。今は、どっちも治っているはずだけど、たまに古傷が顔を出すことがある。しかし、しかしですね、ナゼに出刃トントンで、わかるの?そんな古傷が。直接手で触れているわけでもないのに・・・。

何でもお姉さんたち、普段からストイックな生活を送っているとのこと。食事はベジタリアン、出刃トントンも修養だそうだ。そして他にも色々な修養を積むことで敏感になり、出刃を通じて、色んなことがわかるようになるんだって。何だかよくわからない説明だけど、当たっているし、効きそうだから、まっいいか~しかし、台湾には本当に不思議な民間療法があるよね。

たっぷり1時間、トントンされた後には、体中が陽に当たったようで、ちょっとしたヒリヒリ感と灼熱感。私はこれが翌日まで続いたよ。まぁ、あれだけ叩かれりゃあ、血行がよくなって、万病の予防になることは間違いないと思う。お姉さんは、「気」を通す、と言っていたわ。

私は運動不足で血液の循環が悪くなっていそうな時とか、肩がこって堪らない時にお邪魔するんだけど、観光の皆さんには話のネタにいいかも?出刃包丁で全身くまなくトントンする台湾の民俗療法、ちょっと怖いかもしれないけど、効くし、面白いでしょう? ちなみに出刃包丁は、日本の職人さんによる特別製なんだって。ここまで面白おかしく書いてきたけど、実は刃先は切れないように加工しているのだ。それなのでご心配なく~。